「週刊ホテルレストラン-HOTERES」オータパブリケイションズ/2015.12/18号 記事抜粋 連載企画「オンリーワンの宿づくり 第四回」(株)旅館総合研究所 所長 重松 正弥氏

2016-01-21想い出つくりサポーター  ご紹介いただきました > メディア掲載

週刊ホテルレストラン-HOTERES

旅館総合研究所/所長 重松正弥氏による連載企画「オンリーワンの宿づくり」は施設・サービス・料理・人材等々と異なった視点の中で数号に渡り、きらりと輝く個性を持った「宿」が取り上げられ掲載されてまいります。この度、望水では「人材」を中心とした、笑顔と幸せの空気が充満する館としてご紹介いただきました。

「使命は、お客さまの想い出つくり。笑顔あふれ、幸せの空気流れる伊豆の宿。」
きらりと輝く個性を持ち、まっとうな経営を行なっている宿がある。われわれは、そんな宿を伝えたい。本連載は、旅館総合研究所の重松所長が、自身の目で優れた宿を厳選し、取材し、写真と文章で紹介する連載企画。第四回は、伊豆北川温泉にある「望水」。ここは、笑顔と幸せの空気が充満する館。「自分たちは、お客さまの想い出つくりのサポーター」と考えているスタッフが集う宿だった。

取材・文 旅館総合研究所 所長 重松正弥氏
企画・構成 本誌 丸山和彦氏

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二つの出来事が、経営者である近藤氏を、そして旅館「望水」を変えた。
一つは、ある人にガツンと言われた「あなたは、社長としての想いの丈がなさすぎる」という言葉。それ以降、近藤社長はスタッフとの関係性をがらりと変えた。それまでの「経営者と従業員」という関係性を、自分のことをファーストネームで呼んでもらい、スタッフを「さん」付けで呼び、まるで家族のような関係にした。さらには、大げさに言えば、「スタッフの幸せ」を事業の目的としてしまった。指示することをせず、すべてをスタッフにゆだねてしまった。結果、スタッフはお客さまが喜ぶ新しいアイデアを次から次へと出し、自発的に行動するようになった。スタッフ同士で思いやり、助け合いの精神が生まれた。

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望水を変えたもう一つの出来事。それは、あるお客さまとのエピソード。「死ぬ前にもう一度親子で望水に行きたい」と懇願された余命わずかのお母様を連れて、二人でご宿泊されたお客さま。母と息子の二人旅を楽しまれ、笑顔でお帰りに。その2 週間後、息子さんから手紙があり、そこには「母は、『あの温泉は最高に良かったよ』という言葉を最後に残して天国に旅立ちました。親孝行ができて本当によかったです。望水さんのおかげです。ありがとう」と書かれていたという。
その手紙を読んで望水のスタッフは気付いた。「お客さまはここに、大切な人との想い出つくりに来られる。だから、私たちの仕事は想い出つくりなのだ」と。
それ以来、望水のスタッフの仕事のスタンスは、一貫して「想い出つくりのサポート」になったのだった。

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利益は事業の目的ではなく、スタッフとお客さまの幸せづくりの手段に過ぎない。そんなスタンスの経営が、旅館の、そして日本的経営の本来の姿なのかもしれない。

「週刊ホテルレストラン-HOTERES/オータパブリケイションズ」2015.12/18号記事、写真共原本のままに使わさせていただきました。これからも皆様にお喜び頂けますよう一生懸命頑張ります。 望水社員一同

 

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