夏休み期間中、望水のフロントはとてもにぎやか。
地元の林で捕まえたカブトムシやクワガタを、お子様たちにプレゼントしているからです。
おがくずを敷いた小さな虫かごに入れて手渡すと、どの子もみんな笑顔。
こちらまで嬉しくなってしまう瞬間です。
そんなある日のこと。
小学校一年生くらいでしょうか?飼育器のガラスに指をあてて、
ただじっとみつめている男の子がいました。
「どれがいい?やっぱりカブトムシかな?」
明るく声をかけても、男の子は黙ったまま。
「あ、クワガタもいいよね!強いぞ〜。」
男の子は小さく首をふると、
「カブトの方が強いよ! …でも、うちでは飼えないから、もらっちゃダメだって。」
係は思わず、飼育器に飾られていたおもちゃのカブトムシを虫かごに入れて手渡します。
「はい!君だけの特別なカブトムシだよ。」
男の子はニコッと笑ってハイタッチ。
虫かごを手に、ご両親の元へと駆けて行きました。
「原稿用紙一枚の物語」をお読みいただき、ありがとうございます。
ここには、望水の理想があります。
古代から現代まで、人は、物語で知恵を伝承してきました。
おとぎ話や民話の中に、たくさんの教えがつまっているように
「原稿用紙一枚の物語」にも
私たちを成長させてくれる小さなヒントが隠されていると思うのです。
「原稿用紙一枚の物語」を1ページずつ積み重ねてゆくこと……
それは、望水が理想の会社になってゆく過程そのものです。
たとえ短く、つたない文章だとしても
同じ理想を持つ仲間たちと綴っていく「原稿用紙一枚の物語」は、
望水にとってかけがえのない大切な記録。
折りにふれ、少しずつご紹介できたらと思っております。
どうぞあたたかなお気持ちで
私たちの歩みをお見守りください。
夕焼けの空が、北川の海をほんのり染めはじめた午後五時。ご宿泊のお客様から、フロントに一本の電話が入りました。「 つきあって五年目の記念日なので、今夜彼女にプロポーズしたいと思っています。急な話ですが、花束の手配はできますか?」電話を受けた係は、平静を装いながらも内心ドキドキ……
夏休み期間中、望水のフロントはとてもにぎやか。地元の林で捕まえたカブトムシやクワガタを、お子様たちにプレゼントしているからです。
おがくずを敷いた小さな虫かごに入れて手渡すと、どの子もみんな笑顔。
こちらまで嬉しくなってしまう瞬間です。
暮れも押し迫った十二月、
ご主人のお誕生日旅行を楽しまれたご夫妻がいらっしゃいました。朗らかな奥様と寡黙なご主人。何度もご来館いただいている、大切なお客様です。
お祝いの記念撮影をさせていただき、写真を望水ベアとともにお届けしました。
Mさんは、望水の二年生。
その明るさと姉御肌で、入社したての後輩達からとても頼りにされています。
親元を離れ、寮で生活しているMさんは、楽しく働く自分の姿をみせて安心させたいという想いもあり、結婚記念日を迎えるご両親に、望水での休日を贈ることにしました。