体を癒し、心を満たす、隠れ家エステで過ごすとき

　日が沈み、眼前に広がる海が暗闇に溶け込もうとするころ、北川温泉のヘブンリースパ「GECCA」からは神秘的な光景を目にすることができる。月光が海面にスーッと伸びた"月の道"、ムーンロードだ。聞くと、東伊豆は月の美しい場所として昔から有名なところ。ここの海岸にある浜石は月光をふんだんに吸収し、月のエネルギーを秘めていると伝えられているのだとか。「GECCA」は老舗旅館「望水」内にある、月をテーマにしたスパ。ここでは浜石(ムーンドロップスと呼ばれている)を使用し、月のパワーをチャージしながら心と体のバランスを整えていくホリスティックトリートメントを受けることができる。フットバスの後、まずは温めたムーンドロップスをチャクラ(エネルギーの中枢部分)に置き、静かに心身のバランスを整えることからスタート。そしてつま先からのゆるやかなトリートメントへ。微妙な指加減によって体にたまった疲れや凝りが優しく、穏やかに解きほぐされていくうちに、ついうつらうつら…。やがて月の光に誘われるようにして、深い静寂の中に意識が沈んでいく。月の満ち欠けが人間のバイオリズムや精神状態に大きな影響を与えることは、すでによく知られた事実。「GECCA」でのトリートメントはただ単に心身の凝りを取り除くだけでなく、自然と人間の深いつながりを呼び覚まし、魂を浄化させてくれるよう。 　至福のトリートメントと豊かな温泉、そして美しい風景…日常に流されて自分を見失いそうになったときに訪れたい、極上のヒーリングスポットだ。

専用の露天風呂がついたプライベートガゼボ。全部で4タイプあり、予約をすれば50分間自由に利用できる。写真は"日のなごり"


アロマを使用した全身トリートメントの前に、ムーンドロップスがもつ"月のパワー"を3カ所の体のチャクラからゆっくりと吸収させる。体が軽く感じると同時に気持ちがふっと楽になり、リラクゼーション効果も倍増

「GECCA」にあるバランシングサロン。トリートメント後、ここでくつろぐ時間も楽しい	「望水」では、すべての客室から海を眺められる

野菜をアンチョビとにんにくのソースにからめていただく"バーニャカウダ"。食事にこのバーニャカウダが付くプランも	北川あじ鮨。上にのっているのはねぎ、しょうが、そして土佐醤油のゼリー。また寿司飯には小さく刻んだがりや大葉が入っていて、絶妙な味わい