高樹澪さん・私のとっておき！美味しい宿

　女優は人対人で仕事をしているものですから、たぶんいちばんセラピストを必要とする職業かもしれません。今回選ばせていただいた宿は、人だったり、料理だったり、雰囲気だったり、お湯だったり、そこにいるだけでセラピーにかかったぐらい癒される場所ですね。ほんとうのもてなしというものに、さりげなく気を配っている宿っていうのはわかりますね。それぞれの中でいちばん大事なのは、そこで働いていらっしゃる方すべてがいい、ということですね。人が素朴で、大きな心でうけいれてくれる余裕を感じられるところ。構われすぎてもいやだし、構われなさすぎても困るし、お愛想言われるのもいやだし‥普通のお客さんとして接待してくれる。なんかそれが人を接待するプロ中のプロだと思うんですけど。北川にある「望水」をまっ先に挙げたいんですが、ここは仲居さん皆さんがなんともいえずいいんですよ。芸能人だと知っても特別な扱いはしない。お客様を大切にする。サービスすべてが押しつけではないんです。ほかでもいい宿はあるんですが、押しつけて押しつけまくって、ご自慢で終わってしまう宿が多い気がします。だから望水はリピーターが大変多いんですって。実は私も両親を連れて再び行ったんです。そういうところってたぶん芸能人の方はたくさん行っていらっしゃると思うんですよ。だけど皆さん教えたくないっていうのが本音かもしれません。あまりにもいいから。名物料理は、熱した石で海の幸を豪快に焼く海鮮石焼き。焼かなくても十分美味しい、海老などの魚介を贅沢に使った料理で、これがまた美味しいんですよね。あとお湯がいいんです、いろんなお湯があって。

　お客様のために何をするかっていうことをよく知ってらっしゃいますね。思うんですけど、こういう宿をやっていらっしゃる方って、結局"人"が好きなんでしょうね。私は居心地のいい場所だったら、ひとりで何ヶ月いても構わないんですよ。それを本能的に見つけたい、というのがいい宿探しの核にあるみたいです。 　やっと気ままに生きていける年代になってきたんで、そろそろふんわりと一人旅をしたいなぁって思います。


高樹澪様、またのご来館心よりお待ち申し上げております。